MacBook AirとiPad Airを使っている乃木介@Xです。
MacやPCが欲しくて「iPadかMacBook Air/Pro、どっちにしようかな」と迷っているなら、iPadではなく素直にMacBook Air/Proを買うのが確実です。
「iPadをMacのように使える」のは確かにそのとおり。
しかし、あくまで「Macのように」であって「Macと全く同じことができる」ではありません。
本記事ではMacBookの代わりにiPad購入をオススメしない理由を書いています。
僕の周りから「iPad Proを買ったけど、普通にMacBook Airを買っておけばよかった」という声がよく聞こえてくるので、書いてみました。
「iPadをMacのように使える」という文句が、「iPadとMac、どっちにしようかな」と迷いやすくしている元凶です。
iPadの強み
僕は決してiPadそのものを否定しているわけではないです。
iPad Air (第4世代)を毎日使っていますし、iPadにはiPadの良さがあります。
個人的に感じるiPadの強みを以下に挙げてみました。
直感的にできる操作の手軽さ
iPadの魅力はなんといっても操作の手軽さです。
ディスプレイ上を指でタップしたりスワイプしたりと、直感的に操作できます。
しかもiPhoneよりも大きなディスプレイで。PCが苦手な人でも安心。
iPadがお披露目されたのは、2010年1月28日の発表会。
AppleのSteve Jobsはステージに用意されたソファに座り、まるで自宅のリビングで雑誌をめくるようにiPadを操作して、iPadの手軽さを魅せつけました。
このiPadの魅力は10年以上経った今でも変わっていません。
軽い
iPadは物理キーボードがないため、MacBook Airに比べて軽いです。
また新しいモデルは古いモデルに比べて、さらに軽くなっています。
製品発表会でSteve Jobsが披露した初代iPadの重さは680g。2022年3月現在のiPadは487g。193gも軽くなっています。
参考までにMacBook Airとサイズと重さを比べてみます。iPadは圧倒的に軽いですね。
11インチiPad Pro | 12.9インチiPad Pro | iPad Air | iPad | MacBook Air | |
厚さ | 0.59cm | 0.64cm | 0.61cm | 0.75cm | 1.61cm |
縦 | 24.76cm | 28.06cm | 24.76cm | 25.06cm | 30.41cm |
横 | 17.85cm | 21.49cm | 17.85cm | 17.41cm | 21.24cm |
重さ | (Wi-Fi) 466g (Cellular) 470g | (Wi-Fi) 682g (Cellular) 685g | (Wi-Fi) 461g (Cellular) 462g | (Wi-Fi) 487g (Cellular) 498g | 1,290g |
iPadモデルで最も重い12.9インチiPad Proでも、厚さはMacBook Airの約39%、重さは約50%。
MacBook Airと比べ、カバンに入れても負担が少ないです。
プライベート利用であれば家のソファや出先のカフェで本を読んだり、業務であれば立ち仕事が多い人に便利です。
場所を取らない
iPadは物理的なキーボードがないので使用時のスペースが少なくてすみます。
またスタンドに置いたり壁にかけたりとMacBookに比べて設置方法に選択肢があります。
業務利用であれば、テーブルやスタンドなどに設置して顧客が操作できるようにしたり、工場などの現場で生産管理の情報を表示させたり。
他にも作業指示書やマニュアルを管理する、などの使い方があります。
防水対策がしやすい
iPadは1枚の板のような形状。使用時も未使用時もその形は変わりません。
なので、防水対策がしやすいです。防水ケースに入れるだけで水回りでも使えます。
私用であればキッチンやお風呂。業務であれば工場などでも。
実際、僕はiPad Air (第4世代)を防水ケースに入れ、風呂でYouTubeやNetflixを楽しんでます。
Apple Pencilが使える
2015年9月にiPad Proが発表されました。同時にApple Pencilも発表されました。
発売当初、Apple Pencilに対応しているのはiPad Proのみでした。
しかし2022年3月現在、最新の各iPadはすべてApple Pencilに対応しています。
手書きノートを電子化したい時や絵を描く仕事でも、Apple Pencilを使って対応できます。
iPadをMac代わりに新規購入することをオススメしない理由
ここまで書いたように、iPadにはiPadの良さがあります。
かといってiPadにMacBookを求めることはオススメしません。
挙げればきりがないんですけど5つほど。
物理キーボードの追加で割高になる
iPadをMacのように使うためには物理キーボードが追加で必要ですが、そのぶん割高になります。
iPadには2種類のApple純正キーボードがあります。トラックパッドの『あるキーボード』と『ないキーボード』です。
それらの金額を各iPadの本体価格に加算して比較してみます。
最初はトラックパッドのあるMagic Keyboardで比較してみます。
下の表の通り、Magic Keyboardの追加でiPad ProはMacBook Airと同等、もしくは高くなります。
11インチ iPad Pro | 12.9インチ iPad Pro | iPad Air | iPad | M1 MacBook Air | M2 MacBook Air | |
本体 | 117,800円 | 159,800円 | 84,800円 | 49,800円 | 134,800円 | 164,800円 |
キーボード | 43,680円 | 51,980円 | 43,680円 | – | – | – |
合計 | 161,480円 | 211,780円 | 128,480円 | 49,800円 | 134,800円 | 164,800円 |
次はトラックパッドのないSmart Keyboard Folio、Smart Keyboardで比較します。
これらのキーボードには、カーソルを動かせるトラックパッドがないため、Magic Mouse 2を追加しています。
11インチ iPad Pro | 12.9インチ iPad Pro | iPad Air | iPad | M1 MacBook Air | M2 MacBook Air | |
本体 | 117,800円 | 159,800円 | 84,800円 | 49,800円 | 134,800円 | 164,800円 |
キーボード | 26,800円 | 30,800円 | 26,800円 | 23,800円 | – | – |
マウス | 10,800円 | 10,800円 | 10,800円 | 10,800円 | – | – |
合計 | 155,400円 | 201,400円 | 122,400円 | 84,400円 | 134,800円 | 164,800円 |
iPad Pro、iPad AirはSmart Keyboard Folio、iPadはSmart Keyboardの金額です。
iPadであればM2 MacBook Airの半額くらいで済みますが、他のiPad ProやiPad Airでは金額差がほとんどありません。
物理キーボードの追加で、軽さが消える
iPad用のMagic Keyboardであれば、MacBook Airと同じようにトラックパッドを使ってカーソル操作ができます。
が、かなり重たいです。
iPad本体と合わせるとMacBook Airと変わらない重さになります。
ざっくり言ってしまえばMacBook Airのほうが軽くて安いんです。
11インチ iPadPro | 12.9インチ iPad Pro | iPad Air | iPad | M1 MacBook Air | M2 MacBook Air | |
本体 | (Wi-Fi) 471g | (Wi-Fi) 641g | (Wi-Fi) 458g | (Wi-Fi) 490g | 1,290g | 1,240g |
Magic Keyboard | 593g | 701g | 593g | – | – | – |
合計 | 1,064g | 1,342g | 1,051g | – | 1,290g | 1,240g |
なので、ややこしいことをせずに「MacBook Airを買うほうがいい」と思ってしまいます。
文字入力がしにくい
「MacBook Airを買っておけばよかった」と後悔している知人たちから、一番聞こえてくる声が「iPadは文字入力がしにくい」です。
今のiPadはApple Pencilが使えます。そしてカバンに入れても軽いので、持ち運びに良いです。
なので知人たちは、iPadとApple Pencilだけを持ち歩き、物理キーボードは持たずに軽くしています。「文字入力したくなったらApple Pencilを使おう」という思考です。
しかしいざ使ってみると、手書きと変わらないスピードと手間なので「あー物理キーボード使いてぇ」となります。
iPadには画面に表示されるオンスクリーンキーボードがありますが、物理キーボードの打ちやすさには到底かないません。
でも先述のとおり物理キーボードは重いし高いです。
なので「素直にMacBook Airを買っておけばよかった」となるわけです。
デュアルモニター表示ができない
下の画像はMacBook Airをウルトラワイドモニターに繋いでいる様子。
外部モニターに接続して、表示領域を増やすことができます。いわゆるデュアルモニター。
iPad ProやiPad Airでは、このようなデュアルモニター化ができません。
一応、iPadに表示されている同じ画面を、外部モニターに表示させることはできます。ミラーリングというやつですね。
しかしデュアルモニターのように画面域を広げる拡張はできません。(写真アプリなど、一部のアプリはできます)
なので、外部モニターで表示域を拡張させて「iPadにブラウザを表示させて、それを見ながらモニターに表示しているExcelにデータ入力する」ということができません。
iPhoneの母艦になれない
iPhoneのバックアップをiCloudで行っている場合は問題ないですが、写真や動画データが大きいと、無料のiCloud容量では足りません。
なので、iPhoneをPCやMacに接続してデータバックアップをする人も多いと思います。iPadだとこれができません。
iPadが向いているケースは?
次にiPadが向いていると思うケースを挙げます。
以下の項目を優先したい人は、MacではなくiPadがいいと思います。
メモや文字入力をペンでしたい
紙にペンで書くようなことをしたい人は、iPadが向いていると思います。
これはMacBook Air/Proではできませんから。
ペンで絵を描きたい
これもMacBook Air単体ではできません。ペンタブを買ってMacに繋げばできますが。
「ペンで絵を描くこと」が最優先であるならiPadです。
情報を見ることだけをする
iPadのようなタブレット端末は、データ入力にとても弱いです。情報を見るだけならいいんですけど。。。
例えば、会社でiPadと物理キーボードを渡されて「これで、Excelにデータ入力して」って言われたら、「なんでiPadなのよ。PCくれ。」ってなる人がほとんどかと。
逆に言えば「Webページ閲覧や読書、動画視聴だけができればいい」という人であれば、MacBook Airはオーバースペック、、、かもしれません。
僕はそれでもMacBook Airのほうが良いですが。。。(検索時の文字入力のしやすさとか、ブラウザの使い勝手とか、外部ディスプレイへの出力とか。)
iPadはデータ入力はMacBook Airには敵いませんが、情報を見るだけなら問題なくできます。
そもそもタブレット端末は『見る』『読む』といった情報を消費することには向いていますが、情報を作ることにはあまり向いていません。
ちなみ僕はiPadを読書専用に使っています。個人的にAndroidよりページめくりがしやすいんです。
PCが苦手な人
iPadは常に電源ON状態が通常。
なのでPCのように「起動してログイン」という作業が発生しません。
暗証番号やTouch ID、Face IDなどでロック解除するくらいです。
また、操作も指を使って個別のアプリを開いて使うので、全ての操作が直感的です。
僕の高齢の母親はPCの苦手意識がとても強いですが、タブレット端末で麻雀ゲームやGoogle検索、YouTubeを見たりしています。
風呂で使いたい
MacBook AirやProを風呂場で使うことはかなり難しいと思います。
防水対策ができない、と言えるからです。
対してiPadは防水対策がしやすいです。防水ケースに入れるだけでいいので。
僕もiPad Air (第4世代)を防水ケースに入れて風呂で使っています。動画を見ながら湯船に浸かるって、結構いいですよ。
アウトドアで使いたい
「登山に持って行って、テント内で動画や読書などの暇つぶしに使いたい」みたいな、アウトドア利用が目的ならiPadのほうが向いていると思います。
特に小さなiPad miniなんか良さげです。
理由は、まずMacBook Air/Proに比べて軽いからです。
特に登山など、アウトドアでは荷物を減らすことが結構重要なので。まぁ「私、車だし」という人は関係ないかも。
もう1つは防水対策がしやすいからです。
さっき挙げたように防水ケースに入れるだけで対応できます。
もちろん「濡れたり汚れたりしない場所で、キーボードをめっちゃ使う」とかであればMacBook Air/Proも対象になってくるかと。
【まとめ】Macのように使えるのは、あくまで「おまけ」
冒頭に書いたように「iPadをMacのように使える」という文句が、「iPadとMac、どっちにしようかな」と迷いやすくしている元凶です。
iPadで「物理キーボードが使えます」「マウスが使えます」というのは、おまけと考えたほうが良いです。
既にiPadを持っていて、「たまにPCのような使い方もできるようにしたい」ならアリですが、iPadを新規で買ってMacと全く同じことを求めると後悔すると思います。
MacBook AirかiPadで迷っていて「絶対にiPadじゃなきゃいけない理由が無い」のであればMacBook Airにするのが確実。
iPadが石版と化さないよう、十分ご検討くださいまし。